世界最大の自動車市場である中国で、新エネルギー車の需要が拡大している。今年の販売台数が過去最多の600万台に達すると見込まれる中で、国産メーカーが存在感を高めている。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が出資する電気自動車(EV)メーカーの比亜迪(BYD)は、米テスラを脅かす存在に浮上。中国乗用車協会(CPCA)によると、7月の販売台数は16万2000台余りと、前年同月の3倍以上に達した。BYDが公表したデータでは、そのうち約半分は完全なEVで、残りはハイブリッド車だった。一方、テスラ中国部門の7月の販売台数は前年同月比14%減少し、2万8000台をわずかに上回る程度にとどまった(CPCA調べ)。上海で生産した約2万台は国外市場に輸出されたという。春先に新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が実施されたことや、7月に上海工場を拡張のため一部の稼働を停止したことなどが響いた。