多くの旅行客が島に足止め
実態を報道すると、政府系メディアが…

 海南省での感染者数は525人に上った(8月6日12時現在)。そのうち、三亜市が455人だ。省外にも拡大していき、重慶市、広州市、貴州省、湖南省など多くの省・市でも三亜関連の感染が報告されている。

 6日、三亜市は「現在三亜滞在中の旅客、または7月23日以降に三亜を旅行したことのある人間は、しばらく海南島を離れず、PCR検査を受けよ」という「ロックダウン措置」に踏み切った。翌日から三亜市以外の地域も順次、「臨時的全域静態管理」という名義のロックダウン措置を実施した。

 そのため、夏休み期間中に三亜を訪れたことのある8万人以上の観光客は、一瞬にして「濃厚接触者」となって島を出るような移動が禁じられ、三亜に滞在せざるを得なくなった。なかには空港ですでに搭乗完了し滑走路への移動を始めようとする旅客機に乗っていた旅客まで全員、足止めされた。

 この措置の影響で、宿泊業者の悪質な値上げ、宿泊環境の悪化、飲食業の便乗値上げ、帰りの航空券の高騰といった混乱状況が発生し、一部の観光客は行き場を失って右往左往していた。

 上海のメディア「澎湃新聞」によると、ある家族13人は三亜市に足止めされた1週間でなんと18万元(約355万円)も請求されたという。

 すると、一連の報道を見た海南省の現地メディアと一部のネットユーザーから不満の声が上がった。