西側諸国は、運転から数十年たつ原子炉の閉鎖を食い止めようと資金と政治的支援の確保に乗り出している。多くの国がエネルギー不足に直面する中、低炭素電力の重要な供給源を維持することが狙いだ。米国やフランスなどの一部の国では、数十基の原子炉を当初の運転免許が失効した後も稼働し続けることを計画している。ベルギーは、ウクライナ侵攻を受けた欧州のロシア産天然ガス依存からの脱却を支援するため、2025年に廃止予定だった2基の原子炉を2036年まで運転可能にする措置を取っている。ドイツは年内に全原子炉を閉鎖する予定だったが、ロシアが天然ガスの供給を大幅に削減したことを受け、ガスを節約して冬を乗り切るため、最後の3基を来年まで稼働するかどうかを議論している。閉鎖をさらに先送りするよう要求している政治家もいる。