なお、NISAの対象商品は、金融・運用業界にとっては対象を広げることがビジネス上のメリットになる。しかし多くの投資家にとっては、長期運用に不適切な商品(同時に間違いなく短期運用にも不適切なのだが)をより厳しい条件で除外して対象を厳選してくれることの方が、はるかに好ましいことを付け加えておく。

長期投資でやることは同じ
その「たった1つのこと」とは?

 実は、現在の「つみたてNISA」でも「一般NISA」でも、今のところ24年に導入予定の「新NISA」でも、あるいは現在うわさに上っている「新しい資本主義のNISA」でも、投資の内容は全く同じでいい。

 一つの商品に絞るなら、全世界株式のインデックスファンド(できれば日本株を含む「オールカントリー」)がいい。理由を詳しく知りたい向きは、例えば、山崎元・水瀬ケンイチ著『全面改定 第3版 ほったらかし投資術』(朝日新書)を参照していただきたいが、国内株式のみも、米国株式のみもこれに劣る。債券を含むバランスファンドも現状では不適切だ。

 2、3の運用商品を組み合わせることで、さらに優れた特性の投資が可能になるかもしれないが、その差は大きくないので、気にするには及ばない。

 特に現在、積立投資で資産形成を行っている向きは、これから株価が下落する局面があれば好条件で投資ができる可能性がある。「新しい資本主義のNISA」が登場した暁には、なるべく大きくそのメリットを享受できるような資金投入を考えるといい。良い制度改正になることを期待して結果を待とう。