スマホやパソコン内のデータ、ネット上のアカウントなど、デジタル情報の処理も終活の重要なテーマだ。周りに迷惑を掛けず、しかもプライバシーを守るにはどうすればいいのだろうか。特集『ひとり終活大全』(全24回)の#18は、「デジタル遺品」整理の5つのポイントを伝授する。(ダイヤモンド編集部)
デジタル遺品の処分を最大10件まで可能
「確実にニーズ高まる」と三井住友信託
終活において断捨離をする目的としては、残された人に迷惑を掛けないということとともに、自分の生活をのぞかれたくないというプライバシーの保護もある。
後者のプライバシーに関連して、今後大きな問題になってくるのがデジタル遺品だ。
デジタル遺品とは、故人が使っていたデジタル機器に保存された画像や音声などのデータ、SNSなどの履歴情報、アカウントなどネット上での各種契約のことだ。
ある意味、デジタル遺品には故人の個人情報が詰まっており、どんなことに興味があり、どこでどんなことをしていたのかが簡単に分かってしまう。
「今の70代、80代の方はあまり気にしていらっしゃらないようですが、数年後には確実にニーズが高まります」。そう語るのは、「おひとりさま信託」を手掛ける三井住友信託銀行の担当者だ。
死後事務に関わることを金銭信託で預かるこの商品では、データ削除や契約解除などデジタル遺品の処分を最大10件まで依頼できる。
ガラケーのサービス停止で、今後スマホを使う高齢者は間違いなく増える。そうなれば、各種データのスマホへの保存、SNSへの投稿やネット上での取引なども当然増える。
行政でも最近、マイナンバーカードの機能をスマホに搭載する動きがある。個人資産や個人情報のデジタル化はこれからが本番だ。
次ページでは、デジタル遺品の整理の5つのポイントを伝授する。