JAと郵政 昭和巨大組織の病根#6Photo by Hirobumi Senbongi

JA兵庫西は、ダイヤモンド編集部の「JA共済“自爆営業”農協ランキング」で上位に入るなど、営業目標の必達を職員に求めることで有名な農協だ。特集『JAと郵政 昭和巨大組織の病根』(全15回)の#6では、JA兵庫西の営業部隊の前時代的な仕事ぶりを明らかにするとともに、職員が農協から借りた資金で、自爆した共済の掛け金を払う悲惨な実態を暴露する。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

共済「職員搾取営業」悪質度で全国2位
JA兵庫西「投信販売目標20億円」の闇

 JA兵庫西の営業部隊は、共済(保険)の営業目標などを必ず達成することで全国のJAグループに名をはせている。

 その実力は、組合長を務めていた市村幸太郎氏が、農協の共済事業の大元締めであるJA共済連の会長にまで上り詰めた事実で裏打ちされていると思われていた。

 しかし取材を進めると、JA兵庫西がたたき出している営業実績は、職員が目標を達成するために本来は不要な共済などに加入する“自爆営業”によってかさ増しされていることが分かった。

“最強営業部隊”の仮面の裏で、職員らは悲鳴を上げていたのだ。次ページでは、JA兵庫西の職員が農協のローンで得た資金で共済に加入し、借金が膨れ上がっていく「過酷な自爆スキーム」などを明らかにする。