男尊女卑の悪弊が残る農協と郵便局――。職員らに取材すると、セクハラが今も各地で起きていることが明らかになった。恐ろしいのは、幹部の不祥事を隠蔽しようとすることだ。特集『JAと郵政 昭和巨大組織の病根』(全15回)の#9では、両組織のセクハラ被害の実態に迫るとともに、告発者を探し出して“村八分”にするという二大組織共通の隠蔽体質を暴く。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
男尊女卑の悪弊が残る農協と郵便局
いまだに露骨なセクハラが多発
昭和のレガシーを引きずっている巨大組織、農協と郵便局。両組織には、あしき風土が根強く残っている。それを象徴するのがセクハラだ。
職員らに話を聞くと、どちらの組織でもセクハラが常態化していることが分かった。後述するが、女性職員の体に触るなど、その行為はあまりに露骨だ。
セクハラ被害は、なぜ後を絶たないのだろうか。取材を進めると、その要因の一つに、両組織の「加害者を守る」風土があることが明らかになった。
この二大組織には内部通報の制度があるものの、職員は安心して活用できない状況に置かれている。勇気を持って通報する者が現れると、その人は“村八分”にされてしまうというのだ。
次ページでは、農協と郵便局でいまだに起きている、耳をふさぎたくなるようなセクハラの実態と、その「隠蔽工作」の内実をつまびらかにしてこう。