上場会社の約4割が
女性役員ゼロ
今回は、上場企業が提出する有価証券報告書の「役員の状況」に記載されたデータによる「女性役員比率が高い会社ランキング」をお届けする。
対象としたのは国内すべての証券取引所に上場している企業3795社。東京商工リサーチの協力の下、2021年4月期~2022年3月期の数値を使い、ランキングを作成した。
今回の結果で改めて分かったことの一つが、女性活用の遅れだ。
世界経済フォーラム(WEF)が発表した2022年版の「ジェンダー・ギャップ指数」では、日本は146カ国中116位と低く、政治参加や経済分野で、男女格差が大きい。
実際、東京商工リサーチによれば、上場企業の役員総数は3万9601人で、そのうち、女性役員数は3575人と全体の9%にすぎない。
また、女性役員がゼロの企業は1443社と、前年度の1693社から減ってはいるものの、いまだ全体の38%に上っている。
一方、女性活用に向けた環境は徐々に整いつつある。
東京証券取引所などは21年6月、上場企業の行動原則を示す「コーポレートガバナンス・コード」を改訂し、多様性の確保に向けた人材育成方針を求めた。
経団連も30年までに、役員に占める女性の割合を30%以上にする目標を掲げている。
また、機関投資家は女性役員の有無を投資判断の一つにしつつある。
こうした中、欧州連合(EU)は今年6月、加盟27カ国の全上場企業を対象に、26年半ばまでに、社外取締役の40%以上か、全取締役の33%以上を女性にすることを義務づける制度を導入することで合意した。
「脱炭素」と同じように、機関投資家の圧力などを通じて日本にも同様の流れがやって来るはずだ。今後、日本企業もさらなる女性活用が必要となるだろう。
では、女性の役員登用が進む上位企業の顔触れは果たしてどうなっているのか。早速、ランキングを確認していこう。