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台風10号が、各地で記録的な大雨をもたらしている。これに限らず、近年、記録的な台風被害や豪雨災害が増えていると感じる人は多いのではないだろうか。実際、気象庁のデータ分析でも、1日の降水量が200ミリ以上の大雨(東京の平年の9月ひと月分が1日で降ることに相当)の頻度は明らかに増加傾向にあり、将来的には強い雨の頻度はもっと上がり、災害リスクが高まると予測されている。しかし地震などの突発的な災害と比べ、台風は発生時期が予測できるため、事前に対策をすれば被害を最小限に抑えられる。暴風や豪雨で家屋が損壊する前に火災保険に加入しておけば、補償範囲内で修繕できるが、保険会社や加入内容によって補償範囲が異なるようだ。本記事では、台風に備えて火災保険を選ぶときの注意点や、最低限やっておきたい台風・暴風対策などについて、5つのポイントを紹介する。(アステル 藤山亜弓)

台風への備え(1):加入している火災保険の内容を見直す

 台風の被害で自宅が損壊した場合、どのような保険に加入していたら補償されるのだろうか。「各保険会社が提供する商品によって異なりますが、水災、風災、落雷による住宅損壊は一般的に『火災保険』で支払われます。ただ、火災保険という名称の保険であっても、各保険会社との契約内容によって補償範囲が異なるため、ご自身の契約している火災保険の対象範囲を確認していただくことをおすすめします」(損保ジャパン)

 また、火災保険に入っていたものの、被災後に保険の対象外だったことが判明する場合があるという。例えば、保険の対象が「建物と家財」だと、その両方が損壊した場合カバーできるが、建物のみが対象の保険だと家財は保険適応されない。建物に対する保険のみ加入している状態だと、大雨で自宅が浸水し、家電や家具を買い換える必要が出てきても、全額自己負担になるのだ。

 そのほか、大雨によって自動車が水没した場合は、火災保険ではなく自動車保険に加入していないと補償されないことも念頭に置いておいた方がよいだろう。ただし、自転車や原動機付き自転車(125cc)は火災保険の対象になる場合があるため、補償範囲を理解した上で保険に加入することが重要である。