英王室は先週、エリザベス女王が96歳で安らかに死去したと発表した際、死因を明らかにしなかった。女王に特定の致命的疾患があったかどうかは公表されていない。だが一連の経緯は、世界で最も高齢化が進む国の一つである日本でこのところ高まる議論に焦点を当てた。非常に高齢の人が特に明白な理由がなく死亡した場合、医師は死因を特定すべきなのか、それとも高齢のために死亡したとすれば容認されるのか。医師は後者を選ぶケースが増えている。日本では昨年の死因の3位が「老衰」だった。日本の死因の1割強を占め、がん(悪性新生物)や心疾患に次いで多くなっている。「『いろいろ病気はあるけれども、おばあちゃんだから老衰にしましょう』。最近はこんな感じだ」。名古屋大学名誉教授で老年学が専門の井口昭久氏(78)はそう語る。遺族は大抵それで納得するという。
老衰は死因? 日本の医師に異論少なく
エリザベス女王の死去で注目される議論、日本では死因3位
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