中国の政権交代は、国外、特に西側との関係性を大きく変えることになりそうだ。中国の世界経済への統合を何十年にもわたって推進してきた市場原理を支持する実用主義者たちは、新指導部から姿を消した。代わり習近平国家主席は、同氏への忠誠心で知られる共産党幹部らとともに3期目政権をスタートさせた。習氏の最高経済顧問を務め、トランプ前米政権と貿易交渉を行った劉鶴副首相や、改革派の銀行家で銀行保険監督管理委員会の主席を務める郭樹清氏、米国留学経験を持ち、中国人民銀行(中央銀行)総裁を務める易綱氏など、政治的地位と実務的能力を兼ね備え、国際市場で信頼を得ていた幹部はもはや指導部にはいない。こうした中国指導部の世代交代は、習氏が、数十年にわたって中国の政策の特徴となってきた一種の実用主義よりも、イデオロギー的な清廉さや国家安全保障、党の統制を重視していることを物語っている。
中国の新指導部、西側との関係変化を予兆
親市場派の実用主義者は姿を消し、習近平氏に忠実な幹部が名を連ねる
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