企業の技術責任者の間では、米マイクロソフト製品を購入して解雇されることはないというのがまだ定説かもしれない。だが最近では、もはや何も購入しない傾向が強まっているようだ。世界のパソコン(PC)の大部分は引き続き、マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」を搭載している。同社の7-9月期(第1四半期)決算は、世界的なPC販売の落ち込みにもかかわらず、まずまずの内容だった。売上高と営業利益の伸びは鈍化したものの、ウィンドウズ事業が売り上げの大きな割合を占める部門でさえ、ウォール街の予想を上回った。しかし、主要部門の業績はやや見劣りするものだった。米アマゾンに次ぐ規模を誇るパブリッククラウドサービスの「アジュール」の売上高は、前年同期比35%増となった。アナリスト予想を2ポイント下回ったほか、過去4四半期の平均増収率である46%から大きくペースを落とした格好だ。マイクロソフトによると、これはドル高が逆風となったためで、為替の影響がなければアジュールの増収率は42%を記録していたはずだという。だが、それでも過去4四半期の為替調整後の増収率からは著しい減速を示す。さらに同社は、アジュールのサービス利用は今後も「控えめ」な状態が続く見込みだとし、10-12月期の増収率がさらに5ポイント低下するとの見通しを示した。