肥満につながるさまざまな現象に変化が…

 この研究の結果、250分遅く食事をスタートする条件では、肥満につながるさまざまな現象が起きることが確認された。例えば、空腹感の亢進、消費エネルギー量の低下、食欲刺激ホルモン「グレリン」の増加と食欲抑制ホルモン「レプチン」の減少、深部体温の低下、脂肪組織の分解を抑制するように働く遺伝子発現の変化などが認められた。

 なお、この研究は前述のように、食事のタイミング以外は変更しないという設定で行った。実生活では夕食を遅く食べることに伴い、生活パターンにも変化が現れると考えられる。Scheer氏は「われわれの研究で認められた変化が、日常生活下でも生じるのかを確認するため、さらなる研究が必要」とした上で、「実生活では食事時間の変更に伴い睡眠時間や睡眠の質、日中の身体活動量なども変化し、それらも体重に影響を与える可能性がある」と考察している。

 本研究について、米ワイルコーネル医科大学のLouis Aronne氏は、「これまでの研究では、1日の早い時間帯に食事を取った場合、体重が減ることが示されている。さらに本研究により、総摂取エネルギー量が等しくても、遅い時間帯に食べると体重増加につながるメカニズムが示された」と論評。また、「夜型の生活の人に朝食欠食者が多いのは、夕食の時間帯が遅いために、朝は空腹でないのかもしれない。夜の食欲を抑えるために、朝食と昼食をしっかり取るとともに、その時間帯を早めてはどうか」と提案している。

 米ニューヨーク大学(NYU)の元教授で食品・栄養・公衆衛生学の専門家であるMarion Nestle氏も、「食事の時間帯を早めることは、万能の減量法ではないかもしれないが、人によっては役立つ可能性がある。体重を減らしたい人は、自分に合った手段を見つける必要があり、夜遅い時間帯に食事をしないという方法は、試すだけの価値がある」と話している。(HealthDay News 2022年10月6日)

https://consumer.healthday.com/10-6-late-night-snacks-especially-bad-for-weight-gain-study-2658383766.html

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