夏場のダイエットに取り組む人にぜひ読んで欲しい1冊が『医者が教えるダイエット 最強の教科書』だ。発売直後から売り切れが続出し、全国で大きな話題を呼んでいる。著者は、生活習慣病の専門医・牧田善二氏。最新の医学に基づき、最も効果的なダイエット法を解説した本書から、特別に一部を抜粋して紹介する。

忙しい人ほどやりがちな「肥満を加速させる最悪の行動」Photo: Adobe Stock

ドカ食い・早食いは「今すぐやめるべき最悪の行動」

 糖質をエネルギー源に生きている私たちは、炭水化物を食べるとドーパミンが分泌されて、幸せを感じるようにできています。

 だから多くの人は、その幸福感が欲しくて食べてしまいます。

 しかし、重度の糖質依存症になると、幸せを感じるためというよりも「食べないでいると気分が優れず、その不快さから逃れるために」食べるようになります。

 ドカ食いや早食いは、こうした重度の糖質依存症に陥る一因です。

 大盛りごはんなど、大量の炭水化物を短時間で食べれば、急激に血糖値が上がります。

 急激に上がった血糖値を処理するために、大量のインスリンが分泌され、それによってより太りやすくなるのは、これまで何度も述べてきた通りです。

危険すぎる「肥満の悪循環」にハマってしまう

 加えて、大量のインスリンの働きによって、大きく上昇した血糖値は今度は急激に下がります。

 血糖値は、あまり大きく変動しないのが理想ですが、ドカ食いによってジェットコースターのように大きく上がり下がりしてしまうのです

 血糖値が下がりすぎると、空腹感、吐き気、イライラ、ふらつき、めまいなどの不快症状が出現します。

 そして、この不快症状を解決するのは、一刻も早い糖質摂取であり、また炭水化物のドカ食いをしてしまいます。

 それによって血糖値が急上昇して一時的にほっとするものの、再び急激に下降して……というとても不健康な状態を繰り返します。

 もちろん、体重も増えていきます。

「しっかり食べたのに、食後2時間くらいでまたお腹が空く」という人は、血糖値がジェットコースター状態になっている可能性が高いと考えていいでしょう。

 ドカ食いや早食いは百害あって一利なし。二度としないでおきましょう。

間食をすると、血糖値の変動を抑制できる

 では、この負のスパイラルから抜け出すために、どのような対策をとればいいでしょうか。

 血糖値の上下変動が小さく収まれば太らないし、糖尿病に罹るリスクも減ります。

 だから、少しでも血糖値の上下変動を抑える食生活を送ればいいわけです。

 実は、同じ内容の食事なら、回数を細かく分けて食べるほど血糖値の上がり幅が小さく抑えられます

 このことから、「無理に1日3食を守るより、間食を上手に取り入れたほうがダイエットがスムーズにいく」と言えます。

 あなたが、「間食はしない」と決めていたとして、空腹を我慢して残業し、家に帰ってから食事すれば、どうしても多めに食べてしまうでしょう。

 このことが、ドカ食いや早食いの原因になっている人も多いかもしれません。

 空腹のところにたくさん食べれば血糖値が急上昇します。

 それよりも、小腹が空いたくらいの段階で間食し、家での夕食はそこそこの量で留めれば、血糖値の上昇カーブは小さくて済みます。

 ただし、間食の中身が大事なのは言うまでもありません。

 コンビニで調達するなら、おにぎりやスナック菓子などの糖質を避け、ナッツチーズゆで卵カカオ成分70%以上のビターチョコ、おでんなどを食べるといいでしょう。

血糖値上昇を抑えて肥満を防ぐ行動──医師からのアドバイス

・毎日水をたくさん飲みましょう。血中ブドウ糖濃度が下がり、太りにくくなります。

・軽い運動を継続しましょう。ハードな運動は必要ありません。「ちょこちょこ1日3回食後すぐに動く」を目指しましょう。

・身の周りから、糖質の多い食品を遠ざけましょう。お菓子やインスタントラーメンのコマーシャルが流れたら、テレビのチャンネルを変えましょう。

・座ったままでいるのをやめましょう。デスクワークでも1~2時間ごとに机から離れて体を動かしましょう。

(本稿は書籍『医者が教えるダイエット 最強の教科書──20万人を診てわかった医学的に正しいやせ方』から一部を抜粋・編集して掲載しています)