夜の遅い時間帯に食事を食べると太りやすくなる原因の一端が、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院およびハーバード大学医学大学院のFrank Scheer氏らの研究により明らかになった。食事の時間帯が遅いと、食欲関連ホルモンや深部体温、脂肪貯蓄などに変化が起こることが関係しているという。詳細は「Cell Metabolism」に10月4日掲載された。
深夜に食事をすると肥満になりやすいことはよく知られているが、これまでその理由はよく分かっていなかった。Scheer氏は今回の研究結果を基に、「食事の時間帯を遅くし、それ以外の生活パターンが全て同じままだと、消費エネルギー量が減り、食欲が増進し、体重増加につながる脂肪組織の変化が現れる」と、そのメカニズムを解説。そして、肥満リスクを高めないための対策については、「早い時間帯に食事を取ることだ」と話している。
Scheer氏らの研究は、16人の肥満成人(平均年齢37.3±2.8歳、女性5人、BMI28.7±0.6)を対象に、クロスオーバーデザインで行われた。研究室に連続6日間(後述の2条件の合計では12日間)宿泊してもらい、決められたスケジュールに従って生活してもらった。
比較した2条件のうち一つ目では朝食を8時に食べ、二つ目の条件ではそれより250分遅い時間帯に朝食を取ってもらった。朝食から昼食、および昼食から夕食の間隔は両条件でそろえ、また食事内容および就床・起床時刻も一致させた。試行する順序は無作為化し、また2条件の試行の間に3週間以上のウォッシュアウト期間を設けた。研究期間中、参加者は空腹と食欲の程度をビジュアルアナログスケールで記録し、各条件の3日目と6日目には1時間ごとに採血をしたほか、体温、消費エネルギー量の計測、および5日目には脂肪組織の生検が行われた。