ネットの書き込みはすぐに消される

 こうした「出張に出たまま北京に帰れない」という悲痛な叫びは、ネットに上がっても次々に消されている。人によっては帰宅予定日から2カ月以上北京に戻れないという人もいるらしい。先月の今頃なら「党大会前でセキュリティーが厳しくなっている」と理解できていた人たちも、党大会が終わり、季節が秋から冬に変わったのになぜ帰れないのか分からないままだ。

 上海のロックダウンという「成功例」以降、当局はすでにむやみやたらに市民の行動をコントロールし始めるようになった。なぜそうなるのか、どうしてこうなるのか、どうすればそれを回避できるのか……誰に問いかけても、誰一人その理屈を答えてくれないのである。

「コロナ対策が始まって3年目。1年目は恐怖、2年目は無頓着、そして3年目は疲れと怒り。一体いつになったら家に帰れるんだ」というSNSの書きこみは、もちろんすでにネットから削除されてしまった。