「国産牛肉も価格は上がっていますが、アメリカ産の値上がり幅が大きいので、国産のほうが安くなっています。また豚肉は、国産の価格が値下がりしているので、値上がりしている外国産との価格の差を、さらに広げていますね」

 果物にも、国産と外国産の価格の逆転現象が起こっているものがあるという。例えばレモンだ。国産レモンといえば、安心安全のイメージながら、値段が高くて、これまでなかなか手が出しにくかった。アキダイの店頭では、チリ産が1個80円、広島県産が1袋約3個入って、238円とほぼ同じ値段で売られていた。

防腐剤不使用のレモン

 国産レモンの約6割を生産する広島県のJA広島果実連の販売部部長、下岡正さんによると、国産レモンの武器といえば、

「少なくとも、広島県のJA系統で出荷されるものはすべて、防腐剤不使用でワックスをかけないレモンです。10月の価格も昨年に比べて114%上昇しているのに、不作だった昨年から、今年の出荷は115%増。『売れている』と言っていいと思います」

 これから、アメリカ産のレモンが大幅な値上げ価格で入ってくるとのうわさもあり、国産レモンのさらなる人気に、下岡さんも期待を寄せている。(ライター・福光恵)

AERA 2022年11月21日号より抜粋

AERA dot.より転載