つまり、どれもこれも「お金や時間」を取り返そうと思う心理。仮にお金は取り返せても、時間は絶対に取り返せません。

 お金持ちはこのことをよくわかっています。「時間は何より大事。だから、ムダな時間、負の考えになる時間、執着をして前に進めない時間が、何よりもったいない」と。その時間を楽しい時間、ゆっくりする時間に変えたらどんなに人生が豊かになるでしょうか。お金だけではなく、心も豊かになります。

モノへの執着心をなくすコツ

 では、どうやったらその執着心をなくしていけるのでしょうか。

 目に見えるモノとの決別が「スッキリする」という感覚に変わるスイッチがあります。そのスイッチを「オン」にするのが第一歩。目に見えない心の中の執着も減ることが心地よいと理解し、手放していけるようになります。

 他人のモノって、平気で「使っていないなら手放しなよ」と言えますよね。しかし、自分のモノとなると途端にそうは思えない。なので、第三者的な目線が必要。

 モノを整理するときにルール(基準)を決めます。たとえば「手放すのは、1年以上使っていないとか趣味にあわないもの」と、紙に書きます。そして、物を整理するときにそのルール(基準)に沿って分けるのです。

 このとき、絶対にしてはいけないのが、ルール(基準)を破ること。

 ひとつ許すと、次々にルール(基準)がゆるくなり、結局何でもとっておくことになり、変わりない状況になります。ですから、絶対にルール(基準)を守ること。

「モノがなくても何とかなる」と思えば、本当になんとかなります。ないから知恵が出るし、切り替えると執着もないから心が軽くなるのです。

 自分にとって、大切なモノ、よく使うモノだけがある暮らしになると、買い物の仕方も変わってきます。ムダな買い物が減れば、片づけることも減る。逆にお金は減りません。モノあふれの人は、1円を粗末にし、お金持ちは1円でも惜しみます。その積み重ねが、お金持ちとお金に困る人の差になるのです。