看護師や薬剤師、CAは
どれくらい稼げるのか?

 このエリアは雇用が不安定で年齢とともに社内に居場所もなくなっていくが、手に職がつく資格業なら、食うには困らない。

 看護師、薬剤師、臨床検査技師などは、1つの組織にとどまる人は少ないが、看護師なら病院→クリニック→施設、薬剤師なら病院→薬局→ドラッグストア、といったように、流動性が高く、高齢化で需要が伸びるため、慢性的に人手不足が続く。

 病院の看護師は30歳で額面500万円ほどが相場だが、これは夜勤手当分が多く、ハードワークである。35歳で「師長」になって手取り500万円(額面650万)くらいが出世頭となる。薬剤師のほうは、夜勤が少ない分、6年制の学部を卒業している割に、給料は安めである。

「民間の総合病院だと、40歳で課長になっても額面500~600万円という低年収が転職の契機になる人もいます。女性はともかく、(家計の中心となることを目指す)男性にはあまり勧められないのが本音です」(30代病院薬剤部長)。薬局やドラッグストアのほうが、給与は高めだ。

 航空会社のCAは新卒から5年ほどで辞めるのが日本では一般的なので、35歳まで続ける人がそもそも少ない。25歳から急に離職率が上がり、寿退社していくという。35歳だと、ヒラ→パーサー→チーフパーサー(組合員のいちばん上のランク)になって、手取り500万円弱(額面600万相当)にはなる。

 口座に振り込まれるが給与明細には載らず、税金もかからない(経費扱い)パーディアムと呼ばれる現地滞在手当で、手取りが増える構造がある。機内での立ち仕事はハードで、腰痛に悩まされる人も多い。「40代の先輩たちはサイボーグみたいな人ばかり」(30代ANAのCA)

 50代からは年齢を考慮し、時間帯を選べ、飛行時間も月70時間ほどに減らせるという。「北米便で、50代半ばの人と一緒に飛んだことがあります。59歳で飛んでいる人も実際にいます」(同若手CA)

(本記事は『「いい会社」はどこにある?──自分だけの「最高の職場」が見つかる9つの視点』の本文を抜粋して、再編集を加えたものです)