2022年の市場はドラマに事欠かない1年だった。深刻な痛みを伴い、悲観論がまん延し、不確実性も渦巻いている。株式は新型コロナウイルス禍後の熱狂に支えられ驚異的なリターンを上げたが、弱気相場が定着するにつれ、その上昇分を吐き出していった。このドラマは起こるべくして起きたと言える。コロナ禍の長期化、インフレの進行、ウクライナに対する攻撃の激化、迫り来るエネルギー危機、中国の「鎖国」など、世界が不安定な状況に支配されているからだ。おのずと解消されていくと思われていたサプライチェーン(供給網)の目詰まりはまだ続いている。米国では、消費者の購買意欲は旺盛なままだが、物価や高騰する賃金の抑制に向けた利上げがあまり効いていないため、消費者心理は悪化している。企業の収益見通しは、足元の経済的現実を反映して下方修正され始めている。
米国株の先行き、報われるのは忍耐強い投資家か
買い場のシグナルとなり得る共通のテーマとは
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