中国は過去3年にわたり続けてきた徹底した新型コロナウイルス封じ込め対策をようやく緩めた。だが、市民はゼロコロナ緩和に沸くどころか、支出を抑制し、人混みを回避するなど感染急増に身構えている。中国経済は目下、コロナ禍が最初に襲った2020年を除き、過去30年余りで最悪の景気減速に直面している。だが、慎重姿勢を崩さない市民の反応を踏まえると、経済再開の恩恵が来年広く行き渡るまで、当面はさらなる冷え込みに耐える必要がありそうだ、とエコノミストは指摘している。コロナ感染が急増している北京では、警戒した市民が自主的に隔離し、医薬品の買いだめに走っている。ショッピングモールは客足の鈍さを受けて営業時間を短縮。宅配サービスも、感染した労働者が運転を禁じられていることから支障が生じている。住民への取材やソーシャルメディアの投稿から分かった。