これについて、三菱自動車工業出身で直近はフォルクスワーゲンジャパン販売社長から転身した東福寺BYDオートジャパン社長は、「日本市場はまだ8200万台の自動車総保有があり、年間400万~500万台の需要がある世界3番目の市場だ。カーボンニュートラルへ選択する時代に入り、BEVに関してはモビリティへ内燃機関車からの乗り換えを狙える」との期待感を示した。
このため、BYDの日本乗用車市場攻略としては冒頭で述べた通り、「販売・アフターサービスのネットワークの店舗を形成し、全国どこでもBYDのBEVを供給できるよう日本のBEV普及実現を図る」(東福寺社長)ことが戦略の中心となる。それと同時に、「これまでのキャリアで培った人材ネットワークをフル活用して輸入車インポーター系や中古車専業などと話を進めており、2025年末までに全国100拠点以上の販売ネットワークを確立させる。来年第1四半期にはまず全国22店舗が第1陣でオープンし、第2陣以降約80店舗オープンに結び付ける。店舗ネームはBYD AUTO+地域名とする」(同)ことも明らかにした。
BYDが公開した第1陣の全国22店舗の開業準備室は、札幌・水戸・つくば・宇都宮・前橋・熊谷・越谷・柏・東名横浜・港北・金沢・富山・山梨・岡崎・知多刈谷・名古屋東・岐阜・四日市・松阪・EXPOCITY(大阪府吹田市)・堺・沖縄に置かれる。
これに対応して、オートバックスセブンがBYDとディーラー契約を結び、栃木県宇都宮市で「BYD AUTO宇都宮」を23年度上期にオープンすることを発表。また、ホンダ・日産・トヨタ・VW・アウディ・BMWなどの販売店を展開するVTホールディングスの子会社FLCがBYDとのディーラー契約を結び、岐阜と三重(四日市・松阪)の3販売拠点で来年からスタートさせることも発表している。