――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  強力な電動ドリルを使うとどうしても壁にひびが入ってしまうが、国債利回りに上限を設ける日銀の政策も同様のようだ。ただこれは、各国中銀が2008年以降に試した多くのツールと異なり、政策手段の一つとして残しておく価値があるかもしれない。  日銀の黒田東彦総裁は今のところ他の中銀当局者とは距離を置き、超緩和的な金融政策の巻き戻しを拒んでいる。黒田氏は「イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)」のもと、10年物国債利回りの目標値を0%に維持している。