電気自動車(EV)が現在よりも大幅に安く、ガソリンを満タンにするのと同じ時間で充電でき、EVの生産を現在制約している希少材料をあまり使用せずに済むとしたら――。一部のEV専門家は、それこそが、われわれが目指すべき未来だと話している。EV購入者は長年、新車の購入を検討する際、もっぱら一つの数字に注目するよう慣らされてきた。1回の充電でどのくらい走行できるかを示す「航続距離」だ。これが長ければ長いほど良く、そうでなければ消費者は「航続距離不安」に陥るとされている。航続距離不安とは、電池が切れても充電する場所がなく、道端で立ち往生する結果になることを恐れる心理を指す。14億台を超える世界の自動車をいかにしてEVに転換するかという問題に取り組む研究者の一部は今、EVを誰もが利用できるようにすることを考えた場合、バッテリーパックを大型化して航続距離を伸ばす方法は間違っていると主張している。それよりも、バッテリーがより小型で航続距離は短いが、素早く充電できる車を販売し始める時だという。
EV普及のカギ、航続距離の延長より短縮
低価格化にはバッテリーを小型化し、充電速度を速めることが必要
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