米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の生産は依然として中国での新型コロナウイルス禍の影響を受けているものの、上位モデル「Pro(プロ)」シリーズの生産が需要に追いつき始めている。複数のアナリストやサプライチェーン(供給網)関係者が明らかにした。価格が約1100ドル(約14万7000円)~の「iPhone 14 Pro Max」といったモデルは、世界のスマートフォン市場の成長が鈍化する中でも、アップルの売り上げ拡大戦略の要だ。10月には台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)が運営する中国・鄭州のiPhone工場でコロナが大流行し、戦略に響いた。中国がコロナ規制の大半を解除した今、工場の主要課題は労働者の健康だ。フォックスコンの鄭州工場の労働者のコロナ感染率は不明だが、複数の従業員の話では、発熱などコロナの症状のある人が周囲に多いという。罹患(りかん)した労働者の中には働き続ける人も休みを取る人もいる。中国がコロナ一斉検査をやめ、検査キットが品薄状態にあるため、誰が実際にコロナに感染しているかを把握しにくいとしている。