なめ あと野村、やっぱすごくてランドバンクは2.8万。このうち明確にやると決まっている2.1万戸に加えて、これから建て替え決議待ちの建て替え案件が6000戸くらいある。再開発と建て替え割合が4割強で、用地取得割合も7割が再開発だったりして、つまり大きいのしかやりたくない。

のら 再開発建て替えで7760戸を7000億円で売るってことは、1戸当たり1億円で売るってことか。

なめ 住不はランドバンクを公表してない。で、中計で見ると「25年時点で7500億円の住宅売り上げを目指す」ですけど、これは今までとあまり変わってない。現状維持すね。オフィスビル賃貸を確固たる基盤と位置付け、住宅は利益率重視でやっていくってことですよね。完成在庫も他社と違ってきっちり書いてる。竣工一年以内が713戸、竣工1年以上が593戸とか。「これらは今後当社にお金をもたらすものですよ」っていう資料として自信を持って出してます。

本当は「地方建物」と名乗るべきだ
東京で売らない東京建物

――この辺は安定の住不ですね。ずっと変わらない。

なめ このあと東急(不動産)から、がっと減っていきます。計上戸数1296戸、売り上げ940億円、ランドバンク9800戸。再開発が6割で、27年以降の長期案件が6割くらいなので、しばらくは分譲の件数はそこまで多くやらない、って感じなのかと。24年、25年、26年がだいたい1000戸単位ですよね。主要プロジェクトも公開されてるのは(※2)晴海フラッグとか豊海とか、三井などがひっぱっていくJVのマイナーシェア系のものが多い。自社のブランズ名義でそこまで大きいのはないかなと。

 それから東京建物。ここは面白くて、ランドバンクの半分がその他首都圏と関西になってて。東京建物って名前なのに実態は「地方建物」になってる。

つばさ 笑う。地方建物。

なめ ランドバンクは9000戸なんですが、やはり再開発と建て替えに力を入れてて、その辺を入れると1万戸に達する。だから、長期的には地方進出と大きめ案件にシフトするのでは。建て替えは事業のスパンが長いので、こういう市場の上昇局面だと、かけた経費より売り上げがはるかにでかくなるんですよね。市場が沈むときだと逆パターンになりますけど。だから各社、時間かかる系の大型物件を一生懸命やってる、ってことが言えます。

 大京は、オリックスの決算資料の中で売り上げすら触れられてなくて。利益90億円としか書いてない。ただ、不動産経済研究所発表の売主グループ分譲戸数によると、穴吹と大京で21年は1600戸の分譲でしたね。うち1400が地方の穴吹分。基本的には地方でやっていくよってことなんでしょうね。

――かつての供給戸数首位デベが…。ほとんど大京単体では売ってないに等しいじゃないですか。栄枯盛衰だなあ。