恒例の全宅ツイ新春不動産座談会、本日は大手マンションデベロッパーの戦略分析。メジャー7と呼ばれる最大手マンションデベロッパーの間でも勝敗はくっきり分かれており…? 同じ業界人だから見える、あのデベやこのデベの知られざる顔とは。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
のらえもん @Tokyo_of_Tokyo
湾岸タワマンアナリスト
なめ茸 @c___i___b
マンデベモデルルーム勤務
つばさ(広告費無い部) @linecross0102
都内不動産売買仲介
財閥マンデベ対決三井不vs地所は
三井の圧勝、どうしたの地所!?
――今日は大手マンションデベロッパーの最近の状況についての話です。それにしても、マンションの供給量減りましたよね。新築マンションの棟数自体が激減している感じ。
のらえもん(のら) 僕らの頭の中にはいまだ首都圏で8万~10万戸売っていた時代が焼き付いてますよね。どこの駅にもだいたい新築マンションがあった時代。時代は変わりましたよね。いい立地はホテルと争ってるし。
なめ茸(なめ) (※1)メジャーセブンは再開発大規模建て替えにシフトしてますよね。多分これから先も数十戸単位の小さいのも続けるのは三井くらい。利益率がしっかり出て大きく稼ぐことができる大規模系にシフトしていく。ただオープンハウスは売上高1兆円を目指す中で、小規模をがんがん売ってく方針ですよね。
――メジャーセブンの中でも明確に戦略が分かれてきていますよね。
なめ その辺、ちょっとこの機会に整理してまとめてみたんですよね。公表資料からでもいろいろなことがわかります。
王者三井はパークホームズやパークリュクスなどの小型中型物件が6割、高級が4割で、さらに全体の供給の9割が首都圏です。年間の引き渡しベースの供給戸数が3000~4000戸で、バランス良くグループ得意の大規模開発を今後もけん引していく傾向が見て取れます。ランドバンクといって開発をいま手掛けてる物件も3万戸弱あって、これってメジャー7中ピカイチなんですよね。三井ってあと小型、中型は価格も無理せず、若手チーフの練習台みたいな感じでやってる。ほぼ市場相場どおりの価格で出してくる。
一方、地所は最近仕入れができてないんですよね。「住宅事業の当面の利益は賃貸住宅」だと中計に明確に書いてて、ランドバンクも1.5万戸くらい。年間の計上供給戸数もだいたい1600戸くらい。ただランドバンクの中でも29年以降の超長期物件、つまり再開発物件や建て替え案件が多くて、基本的にはこっちの比重が増えていくのではないかと。2020年代後半に復帰をかけていくのかなと。
――へえー。三井不・地所の2社でかなり勝ち負け分かれましたね。地所が買えていない、っていうのが超意外。他の5社はどうですか?