気軽に連絡するのは
絶対に避けるべきだ

 そもそも彼らの目的は、電話をかけさせることにある、と多田氏は解説する。

「マニュアルの購入者は気軽に電話したつもりでも、相手の業者は本気で高額なサポート契約を結ばせるため、あらゆる手段を使ってきます。相手は契約のプロなので、電話口で契約を回避するのは、非常に難しいのが現実です。また、こうした商材を買う人はお金に困っているので『5000円払ったから損したくない』という気持ちから、話を聞こうと電話をかけてしまいます。人間の心理をついた巧妙な手口ですね」

 実際に多田氏が指定の番号に電話をかけると、まず「月収いくら稼ぎたいですか?」「クレジットカードは持っていますか?」などの質問が向けられたという。何気ない問いかけにも思えるが……。

「どちらも詐欺業者にとって、重要な情報です。ひとつ目の質問に私が『月100万円稼ぎたい』と答えたところ『50万円のコースで優良なサポートが受けられます!』『絶対に稼げますよ!』と、快活な声が返ってきました。この時点で、100万円を必要としている人物という情報を先方に与えたことになります。『絶対』や『必ず』などの強い言葉で一方的に話を進めるので、気が弱い人や電話に慣れていない人は、押し切られて契約してしまうんです」

 スマホ副業詐欺などによる被害者で最も多いのは若年層。携帯電話の普及後、若者はメッセージアプリでのコミュニケーションの中心になり、声で会話する電話を苦手とする傾向がある。そのため、苦手な電話で一方的にまくしたてられると押しに負けて契約をしてしまうという。

「また、こちらが少しでも疑うような言葉を言うと『うちの悪口を言ってるんですか?』『100万円ほしいんですよね?』とすごんでくるのでたちが悪い。そして、2つ目の質問であるクレジットカードの有無も、非常に重要な意味があります。とくに若者はお金をあまり持っていないため、クレジットカードを使ってサポート契約を結ばせるのです」