多田氏いわく、スマホ副業詐欺と思われる商法では“マニュアル化”されている可能性が高く、先述の2社と似たような手口を使う業者が多いという。実際に事業者への取材を行った、多田氏の実体験を元に話をしてくれた。

「まず、ネットで『スマホ 副業』などのワードを検索すると、副業紹介サイトやSNSの広告が表示されます。それらにアクセスして、サイトでLINEの友だち登録を行うと、先方から直接メッセージが送られてくる、という流れのものが多いですね。ただ、最近は誘導の仕方が多様化しているので、元々交流がある友人からの誘いで、副業詐欺などの商法に遭うケースもあるようです」

 そのほかに「みんなが選んだ副業ランキング」など、副業関連のランキングサイトからの誘導もあるという。

「メッセージに従うと『副業マニュアル』の購入を勧められます。このマニュアルはPDFの形式で送られてきます。価格は5000円~2万円ほど。ここまでは、一般の“情報商材”を買わせるものと変わりありません。かつての悪質な情報商材を使った詐欺商法ではまったく中身のないものを誇大な宣伝で売りつけてきましたが、今の副業詐欺商法では購入の先に続きがあります。ちなみに、私が取り寄せたマニュアルにはただ『Amazonの登録方法』などが書かれているだけで、稼げるような副業の内容はありませんでした」

 多田氏が受け取ったPDFのように、まずもうかる内容が書いていないマニュアルを送りつけてくるのが、スマホ副業詐欺が疑われる商法の特徴のようだ。

「どうやったら、稼げるか分からないと読み進めていくうちに、そのことを詳しく教えてくれるといったサポート電話が書かれているわけです。すると、多くの人がその番号に電話をかけてしまう」

 この問い合わせ番号に誘導するのが一連の流れだという。