もしもの場合は
「188」に電話を

 そして、多くの人が持つ「契約」に対する勘違いも、被害につながる原因になっている、と多田氏。

「契約と聞くと、書面でサインをしてハンコを捺(お)して成立する、というイメージが強いですよね。しかし、電話口で『やってみましょうか?』『はい、そうですね』と答えただけでも、契約は成立してしまうんです。その場しのぎでOKを出し、途中で『やめたい』と言っても、言質を取られているので『あなた先ほどやると言いましたよね』『契約は成立しています』と、強気の態度で攻めてきます」

 途中で電話を切ったとしても折り返されたり、悪質な業者間で個人の電話番号が出回り、似たような勧誘の電話がかかってきたり、と苦悩は続く。そのため、多田氏は「とにかく電話をかけてはならない」と強調する。

「電話をかける前に、まずは情報商材に書かれた社名と住所をネットで検索してみてください。私が取材した業者は、社名を検索するとしっかり作り込まれたサイトが出てきますが、住所はオフィスビルではなく1Kのマンション。にもかかわらず、社員数は30人と書かれているし、電話口でも先方はそう答えていました。1Kの部屋に30人もいるはずがないので、その時点でウソだとわかりますよね」

 LINEで事前に個人情報を登録している場合は、何もせずとも業者から友達登録をされてしまう可能性もある。また、電話がかかってきた場合、知らない番号には出ずに、まず番号を検索して「迷惑電話」とわかった時点で着信を拒否すれば、業者との通話を避けられるという。

「もしも電話で契約をしてしまったり、先方とトラブルになったりしたら、『消費者ホットライン』(188番)に電話をしてください。そこから最寄りの消費生活相談窓口につないでくれるので、契約トラブルに関する相談ができます。また、情報商材を買って問い合わせしなかった場合も、188番経由で相談窓口に情報を提供してもらえるとありがたいです。今後の被害を未然に防ぐことにもつながります」

 被害に遭った際は、188番や消費者センターへの連絡を徹底してほしい、と多田氏。じつは被害に遭った段階で“相談相手”を間違えると、二次被害を招くリスクがあるそうだ。