アクセンチュアPhoto:SOPA Images/gettyimages

コンサルティング大手、アクセンチュア日本法人のストラテジー(戦略)グループのトップが交代することがダイヤモンド編集部の取材で分かった。戦略グループはアクセンチュアが全力を注ぐデジタル戦略の中枢であり、今や“最重要”ポストといえる。戦略グループの新トップの実名や経歴を紹介するとともに、全社の戦略の行方をも大きく左右する超重要人事に込められたアクセンチュアの真意に迫った。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

“一丁目一番地”ストラテジーグループの
トップ交代で「デジタル戦略」加速へ

 急成長を遂げるコンサルティング大手、アクセンチュア日本法人で、戦略策定を担うストラテジーグループの日本統括が2月に交代することが明らかになった。

 これは、同社の今後の全社戦略にも関わる超重要人事といっても過言ではない。

 なぜなら、大量のIT人材を抱え、コンサル業界の競合である「BIG4」(デロイトトーマツ、PwC、EY、KPMG)などと「テクノロジー」で差別化を図るアクセンチュアが、全方位的なデジタル戦略をさらに推し進めるための重要な布石に他ならないからだ。

 本連載の1回目『アクセンチュアの競合はBIG4にあらず!伊藤忠、電通、ITベンダー…「猛烈領空侵犯」の狙い』で述べたように、今や同社はコンサルのみならず、ビジネス領域を拡大しながらSIer(システムインテグレーター)や広告代理店、総合商社に至るまで異業種に次々と侵食し、激しい競争の渦に巻き込んでいる。

 アクセンチュアと競合する、ある事業会社の幹部は、そんなアクセンチュアの強みに関して、「戦略コンサルタントを自社内に多数抱えていること」と分析する。コンサル機能という起点が存在するからこそ、IT実装の実行から周辺ビジネスの課題解決に至るまで、一体で支援することが可能となるからだ。

 いわば、アクセンチュアのデジタル戦略における“一丁目一番地”こそが、ストラテジーグループという存在だといえる。次ページでは、デジタル戦略の中枢の座に就く新トップの実名や経歴を披露するとともに、ライバルのコンサル業界のみならず、異業種の競合すらも揺さぶりかねないアクセンチュアの超重要人事に込められた狙いについてひもとく。