Photo:Vithun Khamsong/gettyimages
生成AIの普及により、コンサルティング業界の価値指標が激変している。これまでコンサルの代名詞だった「情報の整理」や「フレームワークによる構造化」はAIが代替可能となった。コンサル転職を支援する多くのエージェントが2025年を振り返った際のトピックスに「AI×コンサルキャリア」を挙げる。長期連載『コンサル大解剖』内の連載「コンサルキャリアの新潮流」の本稿では、採用選考でのケース面接の現場で今何が問われているのかを解説。さらに、MBB・BIG4・総合ファーム在籍者への独自インタビューを基に、AIの台頭による業務の変化や危機感、キャリアへの影響などを浮き彫りにする。AI時代に生き残るための「真の専門性」と「キャリアの分岐点」とは。(コンフィデンス・インターワークス紹介事業部統括部長 金澤 渉)
「答え」が無料の時代のケース面接
対話を通じた合意形成力が重要に
かつてのケース面接は、限られた情報から「いかに速く、論理的な構造を導き出すか」を競う場でした。しかし現在、その「論理的な構造」の構築自体は、生成AIが得意とする領域になっています。
実際の選考現場、特にMBBやBIG4や総合ファームなど大手ファームの一部では、AIが出せるような「客数を増やすか、単価を上げるか」といった定石の整理や、フェルミ推定のスピードや精度だけでは、もはや評価の土俵にすら乗れません。
最新のケースインタビューで扱われやすい「売り上げ向上」や「成長戦略」においては、面接官との対話がこれまで以上に重視されています。評価の分水嶺は「回答の正確性」から「対話を通じた合意形成力」へと移行しており、導いた戦略を伝えるためのプレゼンテーション能力だけでは乗り切れないのが実態です。
プロに求められるのは、AIが提示する「教科書的な正解」の裏側にある真実、すなわち「人の動き」や「現場の力学」に踏み込んだ構造化です。この「論理の矛盾を突く洞察」と「絵に描いた餅にさせない実行の解像度」こそが、AIには到達できない高付加価値な領域となっています。
AIの浸透は、現場で働くコンサルタントのキャリア観をも劇的に変えています。次ページでは、MBB・BIG4・総合ファームという三つの異なる立ち位置の現役コンサルタント3人にインタビューしたリアルな実態を深掘りします。コンサル人材の生き残りを分けるものは何でしょうか。







