Photo by Koyo Yamamoto
2011年のMBO(経営陣による買収)を経て、驚異的な成長を遂げたアーサー・ディ・リトル(ADL)。日本オフィスを長らく率いてきた原田裕介氏は、現在のコンサル業界が陥る「短期思考」と「表層的な課題解決」に強い懸念を抱く。長期連載『コンサル大解剖』のインタビュー後編では、MBO後に実践した組織再生の具体策を公開する。コンサルは高級文房具で終わっていいのか――。1月末で日本代表を退任する業界の重鎮が、これからのコンサルタントに求められる“志”を問いかける。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本 輝)
経営の“自治権”を奪還
MBOを決断した真の理由
――アーサー・ディ・リトル(ADL)は、2011年のMBO(経営陣による買収)が転換点となり、その後急速に成長しています。MBOの決断にはどのような背景があったのですか。
当時、ADLはフランスの大手エンジニアリングサービス企業であるアルトランの傘下にありました。
コンサルティング業界は歴史的に、IT企業が上流系のコンサルのケイパビリティーを持ちたいという思惑があり、IT・エンジニアリングとコンサルが合従連衡する動きが常に生じてきたんですね。
そうした流れでADLもアルトランに買収されたのですが、やはり、これがうまくいかないんですね。カルチャーも違うし、コンサルからITやエンジニアリングに渡しつなぐシナジーもさほど大きくはなかった。アルトランから「こういうことをやってくれないか」という話は多く入ってくるのですが、なかなかうまく進められませんでした。
そうした状況の中で、ある意味、経営の“自治権”を取り戻したいというのが、MBOの最大のモチベーションでした。
親会社とのシナジーが描けず、成長の糸口をつかめずにいた当時のADL。「経営の自治権」を取り戻すために下した大きな決断、それが11年のMBOだった。独立当時の苦難と、それを乗り越えるための「改革」の全貌を次ページで明らかにする。







