米国務省は31日に議会に提出した報告書で、ロシアが米ロの核軍縮条約「新戦略兵器削減条約(新START)」に基づく査察を受け入れず、米政府の協議開催要請を拒否していることは、条約違反に当たるとの見解を示した。国務省がロシア政府の「不履行」を認定した。2011年発効の同条約を巡り、米国がロシアの条約違反を非難するのは今回が初めて。査察が実施されていないことで、ロシアが配備している核弾頭数の確認が一段と難しくなっていると国務省は指摘した。ロシアのウクライナ侵攻で緊張が激化する中、26年に失効する新STARTの後継条約締結に向けた機運が後退するとの懸念が高まっている。バイデン米政権は、両国の核競争を規制する最後の主要な協定である新STARTの維持を重視し、ロシアに違反是正を求めている。
米、ロシアの査察拒否は「新START違反」
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