この言葉を使えば「おせっかい」になるのも防げる
クッション言葉はいろいろな場面で役立ちます。例えばアドバイスをする時です。
自分が詳しい分野の話題になると、頼まれてもいないのについアドバイスをしたくなることはないでしょうか。私はおせっかい気質なので、つい口を出したくなった時は「そのアドバイスを本当に相手は求めているだろうか」と自問することで、自分の意見を押し付けないようにしています。
そして、私の周りのアドバイスが上手な人に共通するのは、次のような「クッション言葉」を使っていることです。
・「ご存じかもしれませんが」
・「もう解決しているかもしれませんが」
・「出過ぎたまねをして申し訳ございませんが」
こうした一言があることで、「あくまでも情報として提供しますが、採用するかどうかはあなたが決めてくださいね」「押し付ける気はありません」というメッセージも一緒に届けることができます。
また、アドバイスが相手の求めているものと違った場合、ノーと言いやすくするために
・「もしお役に立つようでしたら」
・「他にもいい方法があるかもしれませんが」
というクッション言葉があれば、アドバイスを受け入れないことに罪悪感や後ろめたさを生じさせずに逃げ道を作ってあげることができます。
アドバイスに関すること以外では、「お誘い」する時にも使えます。
・「○月○日、食事会を予定しています。お会いできればうれしいですが、お忙しいのは十分承知しておりますので、無理のないようにしてくださいね」
・「ご多忙なのでお誘いしていいか迷いましたが、せっかくなのでお声だけでもかけたいと思ってご連絡しました。奇跡的にご都合があえばぜひ!」
このように誘う時に「ノー」と言いやすい余白も与えてくれると、もし参加できない場合でも「相手はこちらの事情を理解してくれている」という安心感があり、罪悪感なく不参加の連絡をすることができます。
つまり、クッション言葉を加えることで、「あなたの選択を尊重する」という意図も伝えることができるというわけです。気がきく人は、さまざまなシーンで、こうしたひと手間、ひとことを大切にし、それによって相手とのコミュニケーションを円滑にしているのです。