ビジネスで使われる
「解像度」とは何か

 あらためて「解像度」という言葉について考えてみましょう。解像度という言葉は、印刷やパソコンのディスプレイ、画像などに用いられる言葉です。ウェブサイトやディスプレイなどでは画素(ピクセル)数のことを指し、印刷の場合は1インチあたりのドット数の密度のことを指します。

図表:ハートマークこのような単純な形であっても、縦横が10×10の100画素で表示されたハートマークと、縦横20×20の400画素で表示されたハートマークとでは、ハートの形の精細さは明らかに異なる 拡大画像表示

(中略)

 もともとはこうした意味を持つ解像度という言葉が、昨今ビジネスでも使われるようになりました。「解像度が高い」「解像度が低い」「解像度が足りない」という風に使われ、文脈的には、物事への理解度や、物事を表現するときの精細さ、思考の明晰さを、画像の粗さや精細さのビジュアルイメージを想起させながら示す言葉として用いられるようです。

 たとえば、解像度が低いと言われる状態として、以下のようなものがあります。

●物事への理解が足りていないように見える。
●議論がふわっとしていて地に足が着いていない。
●具体的な数字などを挙げられず、説得力が弱い。
●抽象論だけで、具体例が挙げられない。

 一方、解像度が高いというのは、冒頭で紹介した起業家の例のように、議論や思考も明晰で、顧客や市場の理解も深い状態です。

解像度の高い『最後の晩餐』の画像と解像度の低い画像解像度の高い『最後の晩餐』の画像と解像度の低い画像を見比べてみると、解像度の低い画像は何が描いてあるか分からないが、解像度が高いとはっきりと見える 拡大画像表示