低学年までは、準備や順番を手伝ってあげたほうがいいでしょう。毎日、何をどれだけやるかルールや計画を決めると、「今日は何時からやろうか?」と勉強する前提で会話する流れができます。気持ちも切り替えやすくなりますから、試してみてください。

塾や習いごとに
たくさんお金を使ったとき

×よけいなひと言「あんたにどれだけお金をかけたと思ってるの?」

◎わかりあえるひと言「できることは応援するからね」

 幼児教室や塾や習いごとは、親がよかれと思って子どもを通わせているケースが大半ですよね。にもかかわらず、「これだけお金をかけたのに」とつい罵ってしまうことは、子育てを「してやっている」と捉えて、子どもを自分の思い通りに育てようという考え方。「あなたのため」は「自分のため」です。子育てを「損得勘定」で考えてしまっているのです。

 期待通りの成果が出なくて罵倒したり無理強いしたりすれば、子どもにどんな影響を及ぼすでしょうか。自分はダメな子だと刷り込まれれば、当然、自信も自己肯定感もなくなります。小さいうちは我慢して、親の期待に応えるために塾や習いごとを続けるかもしれません。しかし、自我が芽生えたら親にやらされてきたことをすべて拒否して、反抗的になることも。

 子どもが伸び伸び進んでいけるように、「できることは応援するからね」とサポート役に徹するのが親の役目。いくらお金をかけても、子どもの才能がどこまで伸びるかはやってみなければわかりません。本人にやる気がなかったり、そもそも向いていなければ、続かない可能性も大いにあります。大人でも英会話やダイエットで挫折する人が多いのですから。

 それでも親が過剰に子どもに期待したり、お金を使ったありがたみをわからせようとしたりしても、悪影響にしかなりません。経済的な事情を子どもに話すことを否定はしませんが、お金を引き合いに出さずに応援して見守るほうが、子どものやる気をうながすのです。

子どもの就職先が
不安なときのひと言

×よけいなひと言「聞いたこともない会社に入ってどうするの?」

◎わかりあえるひと言「どんな会社(仕事)なの?」

 私はカウンセリングの仕事をしているのですが、「自分が選んだ仕事を親に認めてもらえない」「社会人として評価してもらえない」といった理由で、後ろ向きになっている人が少なくありません。