リサーチ力 最強のビジネススキル#2Photo:cyano66/gettyimages

市場調査や事例調査などを日常的に行うコンサルは、まさにリサーチのプロといえる。特集『リサーチ力 最強のビジネススキル』(全9回)の#2では、アクセンチュアのテクニックを凝縮した書籍『外資系コンサルのリサーチ技法』を基に10個の基本テクニックを紹介するとともに、編著者の上原優氏がリサーチに欠かせない“超重要ポイント”を解説する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

アクセンチュアのノウハウが凝縮された
リサーチテクニックとは

 市場調査や業界調査、競合企業の最新事例の分析からマクロ経済の分析まで――。クライアントのビジネスに直結する情報を生み出すことがなりわいのコンサルタントにとって、リサーチスキルとはまさに“手足”のような存在だ。

 コンサル業界が人気を集める中、そのテクニックや思考法を集めた「コンサルスキル本」も多数発売され、一般のビジネスパーソンも活用できるようなコンサルテクニックが広まっている。

 そうした中で、コンサルが日頃行っているリサーチの技法を詰め込んだ書籍として人気なのが、アクセンチュア消費財・サービス業界グループが執筆した『外資系コンサルのリサーチ技法』(東洋経済新報社)だ。

 本書は2015年に発売され、今年3月に内容がアップデートされた第2版が発売されたばかりだが、実は「15年に発売されたときよりも、ここ数年の方が年間の販売数が多い」と、編著者でアクセンチュアのマネジング・ディレクターである上原優氏は語る。

 いまや、デジタル化の進展で、はるかに多くの情報にアクセスできるようになった。それ故、情報収集の効率を上げるのはもちろんのこと、情報の取捨選択や分析をする力がないと差別化ができない。だからこそ、本書の支持につながっているのだろう。

 実際、アクセンチュアが蓄積してきたリサーチの技法とはどのようなものなのか。今回、同書の内容をひもときながら、まずはビジネスパーソンがリサーチを実践するために押さえておきたい10のリサーチ手法について紹介していこう。その上で、上原氏が考える「リサーチにおいて最も重要な点」も伝授する。

 さらには、ビジネスパーソンなら誰でもまねできる「コンサルレベルのウェブ検索」についても開陳。

 たかがウェブ検索と侮るなかれ。例えば、「新人が何時間探しても見つからなかった情報が、ベテランが『どれどれ』といって探すとすぐ見つかるといったことはよくある」(上原氏)。ウェブ情報は誰でも入手できるので、よほど独自性の高い分析がないと差別化はできないが、テクニックを身に付けて効率やスピードを上げることは非常に重要となる。