リサーチ力 最強のビジネススキル#3Photo by Akira Yamamoto

ユーザーインの発想で数々のヒット商品を生んでいるアイリスオーヤマ。社長ら幹部が一日缶詰めになって企画を決裁する「プレゼン会議」が有名だが、実はその裏には綿密なリサーチが存在する。特集『リサーチ力 最強のビジネススキル』(全9回)の#3では、アイリスの企画力を支えるアンケートや競合調査の手法に加え、あるヒット商品の裏側にあったリサーチの実例を紹介する。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)

消費者視点で躍進のアイリス
その裏に綿密なリサーチ

 月曜日の9時から17時すぎまで、社長ら幹部が勢ぞろい。一つの企画につき、わずか5~10分でGOサインを決める――。新商品開発会議、通称「プレゼン会議」と呼ばれる、一風変わった会議で知られるのが、家電製品などでおなじみのアイリスオーヤマだ。

 アイリスは、年間1000点にも及ぶ新商品やこれまでにないユニークな商品を次々生み出してきた「企画力強者」だ。グループの売上高は7900億円とここ5年で2倍近く成長するなど、消費者からの支持を集める。同社の新商品は、開発者自身の不満などを起点に、消費者のニーズを徹底的に取り込む「ユーザーイン」の発想を重視して開発されていることが特徴だ。

 そんなアイリスだが、実は「プレゼン会議の裏では、表に出てこない膨大な量のリサーチを行っており、データ活用にも注力している」と打ち明けるのが、アイリスホールディングス事業企画室執行役員室長の勝間浩之氏だ。

 アイリスの圧倒的な企画力を支えるリサーチとは一体どのようなものか。今回、初めてメディアに明かすというリサーチの詳細を、「2年で200万台売り上げを伸ばした布団乾燥機」など、実例と共に次ページで明かしていこう。