テニスはエスタブリッシュメントが趣味と実益を兼ねて嗜むスポーツだ。日本テニス界の最高峰クラブと誰しもが認めるのが、東京ローンテニスクラブだ。東京ローンは意外なことに日本屈指の名門ゴルフ場である霞ヶ関カンツリー倶楽部と共通点がある。特集『ビジネスに効く! 最強のゴルフ 王者のテニス』(全18回)の#17では、ゴルフとテニスの“最強サロン”にゆかりのある名家の顔ぶれを紹介する。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
ゴルフとテニスに強い親和性
両界の最高峰、霞と東京ローン
なぜゴルフとテニスが同じ特集にくくられているか、と不思議に思う読者は少なくないだろう。
ゴルフとテニス。確かに共通点はある。英スコットランド発祥のゴルフは、貴族の社交の場として始まったとされる。これに対し、テニスは諸説あるものの、フランスや英国の貴族の間で遊びとして広まったとも伝えられている。
やはりゴルフとテニスは親和性がある──。記者が強く思うようになったきっかけは、これまでのゴルフ特集の取材で耳にした、ある取材先のこんな言葉だった。
「日本の名門テニスクラブもゴルフと同じように、選ばれしエスタブリッシュメントが集う。ゴルフよりも、もっと奥ゆかしい世界が広がっている」
そして、こうも付け加えた。「由緒正しい家柄の名士にとって、東京ローンと霞は二つで一つだ」
「東京ローン」とは、1900年に設立された歴史と伝統を誇る日本テニス界の最高峰クラブ、東京ローンテニスクラブだ。これに対し、「霞」とは、日本屈指の名門ゴルフ場、霞ヶ関カンツリー倶楽部のことを指す。
東京ローン、霞ヶ関カンツリーのいずれも入会審査は厳しい。正会員になるための入会金は、東京ローンが約275万円、霞ヶ関カンツリーは1200万円と高額だ。凡人がおいそれと簡単に踏み入ることができない世界である。
そして徹底取材で明らかになってきたのが、東京ローンと霞ヶ関カンツリーには必ずといっていいほど、日本の政財界をリードしてきた代々続く「華麗なる一族」が名を連ねていることだった。
次ページでは、ゴルフとテニスの両界が誇る“最強サロン”にゆかりのある名家の顔ぶれを明かす。