ビジネスに効く! 最強のゴルフ 王道のテニス#16Photo by Ryo Horiuchi

皇族、三井家当主、東京都知事、大物学者…。歴史と伝統を誇る格式高い東京ローンテニスクラブに集うのは日本の超エスタブリッシュメントだ。特集『ビジネスに効く! 最強のゴルフ 王者のテニス』(全18回)の#16では、カネとコネを駆使しても入会できないほど審査が厳格といわれる日本最高峰テニスクラブの内幕に加え、主なメンバー32人の実名を公開する。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

「週刊ダイヤモンド」2023年5月13日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

ベールに包まれた最高峰クラブ
起源は130年以上前にさかのぼる

 東京メトロ日比谷線の広尾駅から徒歩7分。有栖川宮記念公園の坂道を上り切ると、日本最高峰のテニスクラブ、東京ローンテニスクラブが姿を現す。10面あるクレーのテニスコートを囲む高いフェンスはシートのようなもので覆われ、中の様子をうかがい知ることはできない。

 まるで姿が見えない平安時代の姫君のように、内実はベールに包まれている。その秘密さ故に、東京ローンが最高峰の地位に押し上げられているといえよう。

 東京ローンの起源は今から130年以上もさかのぼる1887年、英国外交代表部の邸内にテニスコートが設けられたことに始まる。テニスの発展と国際親善を図るために、現在の国会議事堂の敷地にテニスコート用の土地が宮内庁を介して供与され、東京ローンは1900年に創立された。現在の南麻布に移ったのは、40年のことだ。

 東京ローンは上皇ご夫妻が結婚する前、たびたびプレーを楽しんで愛を育まれた場所として知られる。現在の会員は皇室のご一家をはじめ、各国の駐日大使など日本人と外国人を合わせて約1000人とされる。

 次ページでは、入会手続きや入会金、しきたりなど東京ローンの内幕を関係者への取材を基に明らかにする。また、皇族や三井家当主、東京都知事といった錚々たる東京ローンの主なメンバー32人の顔ぶれを紹介する。