先週末、次のような記事が外務省記者クラブを揺るがせた。

〈【岡田外相が閣議後の取材を拒否へ 外務省記者クラブへ通告へ】 岡田克也外相は18日までに、閣議後に首相官邸や国会内で行っていたぶら下がり取材に今後応じない意向を外務省記者クラブに通告した〉(産経新聞3月18日WEB版)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100218/plc1002182239021-n1.htm

 最初に筆者の立場を明確にしておこう。筆者は、今回の岡田大臣の決断を完全に支持する。

 まず、指摘しておきたいのは、新聞各紙が「岡田大臣の取材拒否」と書いているが、それは事実と若干異なるということだ。

岡田大臣への記者クラブの
風当たりはなぜ強いのか

 なぜなら、就任以来、火・金曜日の閣議後の大臣会見を一貫してフルオープンで開催し、現在もそれを継続している人物こそ岡田大臣その人だからだ。

 鳩山内閣の閣僚で取材機会の公平性と平等性に最も腐心してきたのは、他でもない岡田大臣である。それは、政治取材をしているジャーナリストたちに問えば、間違いなく共通の認識になっていることを知るであろう。

 にもかかわらず、新聞・テレビなどの記者クラブメディアからの岡田大臣に対する風当たりは強い。なぜか。記事の続きをみてみよう。

〈岡田氏側は、閣議や閣僚懇談会での発言は、あらかじめ用意された発言要領以外は公表しないと閣内で申し合わされていると指摘。閣議があった日の午後には記者会見をしているが、これまでも閣議後の取材は短時間で済ませていた。

 記者クラブ側は、民主党政権の閣議では実質的な議論が行われているとされているため、閣議後の取材機会は重要と主張。しかし、岡田氏は、2月に入ってからぶら下がり取材に対し「何もありません」と言うだけで、後の質問は無視して立ち去るケースが続いていた〉(同産経新聞)