労働環境をつくる上で重要な役割を果たす「社会保険労務士」は、資格を取るのも難しいが、実は独立開業してから真の勝負が始まる。人気の資格で同業者が年々増えているからだ。特集『ChatGPTで激変!コスパ・タイパで選ぶ 最強の資格&副業&学び直し』(全20回)の#17では、社会保険労務士として限られたパイの中で稼げる“金脈”のつくり方に迫る。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
早い段階で有資格者として働き
「年収1000万円」に到達も可能
「社会保険労務士(社労士)は、コストパフォーマンスがいい。難易度はそこそこ高いものの、きちんと学校で勉強すれば試験は1~2年で合格できる」と、桜木社会保険労務士事務所の社労士の武藤千宏氏は話す。
試験に合格したら、2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験、もしくは実務経験が2年に満たない場合は全国社会保険労務士会連合会が実施する「事務指定講習」の修了をすることで、これと同等以上の経験を有するものと認められ、同会に登録すれば晴れて社労士と名乗れる。
そのまま会社に勤務するなら、労務を経験して主任となりマネジメント能力を高めながら、やがて人事部長など経営に近い仕事に携われるようになる。独立した場合も顧客をうまく獲得できれば、「早い段階で年収1000万円に到達する同業者もすごく多い。そういう意味ではキャリアプランも描きやすいし、すごくいい資格だと思う」(武藤氏)。
税理士や公認会計士など他の士業に比べれば、試験合格から有資格者として働けるようになるまでのタイムスパンが短い。そのため同業の競争相手も多く、勤務社労士にならない限りは“独立後”が真の勝負となる。
次ページでは、社労士として差別化を図るためにはどんな能力が必要か、また、同業者が増える中での「稼げる金脈」のつくり方を伝授。さらにChatGPTなど生成AIがもたらす影響についても考察する。