昨年12月から国家資格が新設された「ドローン操縦士」。手軽に挑戦できる上に、趣味としても注目を集めるが、その資格のみでは本業や副業としては心もとない。特集『ChatGPTで激変!コスパ・タイパで選ぶ最強の資格&副業&学び直し』(全20回)の#15では、ドローン操縦資格を“飯のタネ”に変える副業のやり方に加え、より稼げる他の資格との掛け合わせといったノウハウを伝授する。(ダイヤモンド編集部 梅野 悠)
国家資格新設で注目度アップ!
趣味を飯のタネに変えるノウハウとは?
新しいガジェットが好き、収入アップのために副業したい、でも準備はなるべく短期間で済ませたい――。そんな人にお薦めなのが、ドローンの操縦資格だ。
ドローンの操縦資格は、これまで日本UAS産業振興協議会(JUIDA)やドローン操縦士協会(DPA)などが認定する民間資格のみだったが、昨年12月に「一等無人航空機操縦士」「二等無人航空機操縦士」という2種類の国家資格が新設された。
民間資格では特定の条件下でドローンを飛ばす際には、管轄の国土交通省に申請する必要があるが、国家資格の保有者は一部の飛行を除いて申請を省略できるようになる。特に「一等」ライセンスの保有者は、操縦者や関係者以外の人がいる場所の上空でも、機体を目視せずに飛ばす「レベル4飛行」が可能だ。
新設された一等ライセンスの第1号を輩出した、秋葉原ドローンスクール(東京都千代田区)の講師、上野華奈氏は一等の取得者について「元からドローン産業に携わっている人が多く、物流や機体の開発などを目的に取得している」と言う。
国家資格の新設の背景について、国交省の担当者は「ドローンの運航者数が増える中で、安全を担保し、また運用を効率化するため」と説明する。実際、飛行の申請件数は2016年度時点では1万3535件だったが、22年度には9万1073件となり、約7倍に増加している。
さて、ドローンの操縦資格はどのように取ればよいのか?まず民間資格はこれまで通り、スクールでおよそ3日間の講習を受ける。飛行のための法律などを学ぶ「学科」と、実際にドローンの離着陸や「8の字」飛行などを行って操縦技量を磨く「実技」を行う。費用はスクールによって異なるが、20万~30万円程度が目安だ。
そして、国家資格はより高いレベルの知識や技量が求められ、民間資格取得に加えて「二等」ならプラス1日程度、一等ならプラス3日程度の講習を受ける必要がある。費用はそれぞれ民間資格の講習費に加えて、二等がプラス20万円、一等がプラス40万~50万円が目安だ。
「国家資格の新設の影響で、体験に訪れる人が月間300人まで増えた」と言うのが、都内や横浜市などでドローンスクールを展開する、ハミングバードの鈴木伸彦社長だ。国家資格の新設が発表されて以来、注目度がアップし体験者が徐々に増え、校舎数も増やしたという。
ドローンの民間資格は、もともとカメラやドライブが趣味の人が、その延長で取得する場合も多いが、副業や起業にも使える。後者を目的とするなら「間違いなく国家資格を取るべきだ」(鈴木氏)。
では、国家資格を取得後にドローンで稼ぐにはどうすればよいか。
次ページでは、副業で稼ぐ方法を伝授するとともに、他の資格との掛け合わせによるさらなる収入アップの裏ワザも伝授する。