外相が姿をくらました理由は
「不倫」が問題になったから?

 7月18日の外交部定例記者会見で、フィナンシャル・タイムズの記者が、「秦剛外相が職務に復帰する予定はあるのか? なぜ3週間半も姿を現さないのか?」と質問した。外交部の報道官はいったん手元の資料をたぐるそぶりを見せ、「私からお伝えする情報はない」と答えてやり過ごそうとした。だが、同記者はさらにこう食い下がった。

「英国紙『タイムズ』が、秦氏の不在は最近出産した傅暁田・香港フェニックステレビ記者との不倫関係について調査を受けているためだと伝えたが、これについてのコメントをお願いしたい」

 これにはさすがに驚いたし、皆、騒然とした。実はすでにネットではかなり盛り上がっている話題であり、「何を驚くことがある。政府高官が女を囲ってるなんてもう常識だろ」といったコメントがずらりと並んでいたのも事実だ。だが、外交部の記者会見で現役の閣僚の不倫問題が言及されるなんて事態はこれまでなかった。これに対して同報道官は、「あなたの言う状況について、私は耳にしていません」と答え、それ以上のコメントを拒絶した。

 中国外交部のWebサイトには毎日行われる記者会見のやり取りが記録され、公開されているのだが、この部分はすべて削除されている。だが、現場に持ち込まれたメディアのカメラはしっかりその様子を収めており、その映像は中国のネットでも拡散された。中国政府関係者が多くを語ろうとしない一方で、この“おいしい”ゴシップネタのおかげで秦剛の不在はますます人々の興味を引き、世界中のメディアが一斉に「秦剛はどこだ?」と書きたてたのである。