日本の味方になれば心強い
「英連邦」とは?

 ここで基礎知識について簡単に触れておくと、英連邦(コモンウェルス)とは、旧英国植民地など56カ国で構成される国家連合体だ。加盟国は、ニュージーランドやマレーシア、パプアニューギニアなど多岐にわたる。

 このうちオーストラリア・カナダ・ジャマイカなど15カ国は「英連邦王国」(コモンウェルス・レルム)と呼ばれ、英国の君主を自国の国家元首としている。政治には直接関わらないが、これらの国々の君主は英国王チャールズ3世だ。

 またチャールズ3世は、共和制国家を含む英連邦全体の連帯を象徴する元首でもあり、世界の4分の1近くの国家・地域に元首として君臨している。

 このように、英連邦は巨大な経済圏だ。世界の国土面積の21%を占め、総人口(24億人超)は全世界の人口(約77億人)の3分の1弱を占めている。GDPの合計値は11兆ドル超で、米国の約21兆ドル、EUの約18兆ドル(英国含む)、中国の約15兆ドルに次ぐ経済規模である。
 
 英連邦の重要性は規模だけではない。加盟国には、資源大国であるカナダ・オーストラリア・南アフリカ・ナイジェリアが含まれる。

 世界で2番目に人口が多く、ハイテク国家としても知られるインドをはじめ、マレーシア・シンガポールなど東南アジアの多くの国も含まれている。そして、今後「世界の工場」となることが期待されるアフリカ諸国の多くも英連邦だ。

 政治的には、カナダはG7、インドや南アフリカは新興国の雄「BRICS」の一角だ。オーストラリアやシンガポールなどは、それぞれの地域で主導的立場にある。

 要するに、加盟国が政治的・経済的に多様な特徴を持ち、その規模以上に巨大なパワーを持つ経済圏を形成しているのが英連邦の特徴である。

 従来の日米同盟に加えて、この英国および英連邦の政治的・経済的なパワーを取り込むことができれば、日本が中国からの「デカップリング」を果たす基盤となるはずだ――。これが筆者の考えだ。

 そうした「日米英同盟」が持つポテンシャルを、レアメタル・レアアースを題材に考えてみたい。