日本は中国に依存せずとも
レアメタルを調達できる!?

 中国はガリウムで世界生産の90%、ゲルマニウムで60%を占める。このうちガリウムはボーキサイトからアルミを精錬する際の副産物として採取される。つまり、アルミの生産国である英連邦のインド・カナダなども、条件が整えばガリウム生産国になることも不可能ではないはずだ。

 ゲルマニウムは、世界の埋蔵量が8600トン。そのうち米国の埋蔵量が3870トン、中国が3500トンだ。現在、米国は自国資源保全を理由にゲルマニウムを生産していない。だが再生産に踏み切れば、中国への対抗が可能となるはずだ(ニューズウィーク日本版『ガリウムとゲルマニウム輸出規制の影響は?』)。

 続いて、電気自動車(EV)のバッテリーやスマートフォンの製造など先端技術に欠かせないレアアース(希土類)を考える。中国の生産量は昨年21万トンであり、世界シェアの約7割を占める。2位は米国で4万3000トン(シェア約14%)、3位はオーストラリアで1万8000トン(同6%)だ(朝日新聞『中国のレアアース、世界シェア7割 G7も危機感、EV普及なお依存』)。

 中国の圧倒的優位は揺るがないが、2位の米国は同盟国であり、3位のオーストラリアも英連邦の一員だ。そして、レアアースは地球の広い範囲で埋蔵が確認されている。

 また、19年とやや古い報道になるが、ロイター通信によると、インド・南アフリカ・カナダといった英連邦諸国でもレアアースが採掘されているという(ロイター通信『アングル:米国が怯える中国の切り札「レアアース砲」とは』)。英連邦諸国がレアアースの生産を加速させれば、供給源を多角化できる余地がある。

 レアメタル(希少金属)全体を見ても、日米英同盟には大きな可能性がある。レアメタルはオーストラリア・カナダ・アフリカ諸国などに幅広く埋蔵されており、アングロアメリカン・リオティント・BHPなど「鉱物メジャー」と呼ばれる資源多国籍企業の多くは英連邦系の企業だ。各社は今後もレアメタルの生産に莫大なリソースを投入していくだろう。

 このように見ていくと、日本が日米英同盟のネットワークを生かして、中国に頼らずレアメタル・レアアースを調達するルートは十分あるように思える。

 そして、多大なるポテンシャルを秘めた同盟の中でも、やはり「英国および英連邦」のメリットとスケール感は非常に大きい。その証拠に、日本以外に目を向けても、旧英国植民地ではないにもかかわらず英連邦に入りたがる国々がここ15年ほどで増えてきた。