顧客の心を動かすコミュニケーションが成立しなければ売れないという意味では、リアルもネットもまったく同じです。そのやりとりや修正にタイムラグがあるところだけがリアルとネットの違いです。

 リアルの場合は違うと思ったらすぐに巻き戻してやり直すことができます。極端に言えば、笑ってごまかすとか、聞こえなかったふりをすることもできるのです。しかしネットではできません。こちらが用意したものによる一発勝負です。反応を見ながら事後的に修正していくことになります。

 その意味でもLPは簡単には修正が効かない重要なプレゼンテーションであり、同時に、修正しながらより効果的なものにしていくことはあらかじめ前提になっているということです。

 LPをコミュニケーションを深めていく媒体として有効なものにするためには、漫然と万人向けにものをつくったのでは発展性がありません。

 ペルソナを厳密に設定し、それに対してどういうコミュニケーションが必要なのかを細部にわたって検討していくことが必要です。ペルソナを絞り込んであたかも一人の顧客を前にして、その人が購入してくれる道筋であるカスタマージャーニーを想定してLPのコンテンツを用意し、構成することが必要です。万人向けにしてしまったら誰にも刺さらないのです。

書影『SALES&MARKETINBG ネットでもリアルでも圧倒的な結果を出すセールスの極意』『SALES&MARKETINBG ネットでもリアルでも圧倒的な結果を出すセールスの極意』(幻冬舎メディアコンサルティング)
橋谷義仁 著

 そして常に反応を見ながら振り返り、どこを厚くしてどこを削除するか、どんな内容をどこに追加すべきか、といったことを徹底的に掘り下げ、改善を重ねていきます。

「なぜここで止まってしまったのか、何が気になってこちらに飛んだのか」──サイト訪問者のデジタルフットプリントを分析しながら、現在のLPのどこにコミュニケーションの流れを止めているものがあるのかを検討します。一度つくったらそのままということはあり得ません。

 対面でのリアルな会話が双方のキャッチボールのなかで認識が深まり、購入へと進んでいくように、ECサイトのコミュニケーションもLPの改善というキャッチボールを展開しながら、顧客とのエンゲージメントを深めて購入申し込みへと導いていくことが必要です。