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「アイデアは出てもスムーズに実行されない」「話し合いをしても誰も主体的にやろうとしない」「結局、思ったような成果を出せずに終わる」……わざわざ会議までして決めたことを実行できないチームが増えています。なぜでしょう? 日本初のミーティング専門コンサルタントの矢本治さんが上梓した『なぜミーティングで決めたことが実行できないのか』から一部抜粋して、ミーティングの実効性を高めるポイントをお伝えします。
原因も対処法も
「個人」と「組織」で別々にある
ミーティングで決めたことができない原因は、「個人」と「組織」それぞれにあり、基本的な対処法も異なってきます。
例えば、「今年は英語を勉強する」と目標を立てたのに、そのうちテキストを読まなくなったり、「やらなくちゃ」と思っていても腰が重いケースがあるでしょう。このように、実行できない原因が当人のやる気にかかっているケースが「個人」の問題です。
価値観の異なる仲間と協力して仕事を進める組織となると、目標を実行できない原因はさらに複雑です。ミーティングで決めたことに着手していたとしても、上司から急ぎの案件を振られたら中断せざるを得ません。このように、実行できない要因が個人の問題だけではないケースが「組織」の問題です。
とはいえ、組織の場合、協働することで達成できるケースや、人の目があるから懸命に行うので作業がはかどるケースもあります。
個人の問題であってもその対処を気合・根性の精神論で終わらせるのではなく、チームとしてミーティングで設計することが大切です。
このように、決めたことが実行できない背景を「個人」と「組織」それぞれの観点から分析すると、表1のように7つの原因に大別できます。
ここでは「(1)未来の時間を甘く見積もる」を例に、日々のミーティングでどう対処していけばいいのか、基本的な考え方を説明しましょう。
未来の時間を
甘く見積もってしまう理由
僕たちは無意識に「未来の時間」を多く、言いかえれば甘く見積もることをしています。
「1週間後には今よりゆとりがあると思っていたけれど、実際その時になってみると時間が全然なかった」という経験は誰にでもあるはず。
なぜ、このようなことが繰り返されるのかというと、自分たちが読み切れない「今までの予想を超えた新たな仕事」という存在を忘れているからです。
仕事には次の3つの種類があります。
(1):定型業務(日々のルーティンワーク) (2):経験上、予想できる今後の新たな仕事 (3):今までの予想を超えた新たな仕事
このうち(1)と(2)は、ある程度、予見して仕事のスケジュールを立てられますが、多くの人は表2に示したような(3)を読みきることができません。
読者の皆さんにも、こうした経験が必ずあるはずです。ここ数年は(3)タイプの仕事が増えている気もします。
「自分の予想を大幅に超えた業務をこなさないといけなくなり、計画していたことが水の泡になった!」
僕たちは(3)今までの予想を超えた新たな仕事を見積もることができませんし、できれば見積もりたくないのです。だから「未来のほうが与えられる時間は多いし、うまく時間をやりくりすれば、直近の締切より時間が捻出できるのでは?」と考えてしまいます。
でも、これは錯覚です。今より未来のほうに時間がある保証はありません。
僕の経験を踏まえていえば、1か月後より3日後のほうが、突発的なトラブルが起きている確率は低い。だったら、3日以内に行動したほうがよいのです。
時間と完成度は比例しない?
時間不一致現象
僕たちが、未来の時間を甘く見積もる原因には、行動心理学の「時間不一致現象」が深く関わっています。
例えば、リーダーから、この1週間が繁忙期でないあなたに企画書の依頼がきたとします。どちらが簡単にできそうな気がしますか?
Q:どちらが簡単に仕事ができそうに感じるか
(1)5日後の締切り
(2)2週間後の締切り









