トヨタ自動車で14年ぶりの社長交代が実現した。だが、佐藤恒治社長が率いる新体制は、前任の豊田章男氏が陰で糸を引く傀儡政権と言わざるを得ない。特集『史上最強 トヨタ』の#9では、“影の内閣”が目を光らせるトヨタの権力構造や、同社の命運を握るEV開発体制の実力に迫った。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
チーム佐藤の業績を左右する中国市場に
波乱要因あり、担当幹部に明智光秀も!?
佐藤恒治氏がトヨタ自動車の社長に就任して5カ月が過ぎようとしている。創業家出身で強いリーダーシップを発揮した豊田章男前社長(67歳。現会長)の後を、非創業家で53歳と若い佐藤氏が引き継いだことで、トヨタは中央集権型からチームによる経営へと移行するとみられる。
新体制のブレーンも出そろった。
次ページでは、佐藤新体制を支えるブレーンの陣容、現役の執行役員らに目を光らせる“影の内閣”の面々、同社の命運を握るEV開発組織のメンバーの実力や評判を明らかにする。